着付け教室に行ってみたいけど、どんなものが必要でいくらかかるのか心配ですよね。
着付け初心者の方が、着付け教室に通うときの持ち物と準備に掛かる費用についてです。
着付けを習うには、着物や帯、その他に小物などが必要です。
教室に通うために着物や帯一式を揃えるとなると、少なくない費用がかかります。
特に、着物や帯は高額になります。
着付けは習ってみたいけど、準備に費用が掛かるからと迷う方もいると思います。
着付け教室の中には着物や帯を準備しなくても、レンタルしてくれるところがあります。
着物や帯を持っていないけど、着付けを習いたい方に、おすすめの着付け教室や安く着物や帯、小物類を準備する方法を紹介します。
着付け教室で必要な着物と帯
着付け教室に通うには着物と帯が必要ですが、着物も帯も高価なもので誂えるには時間がかかります。教室に通うために購入する必要はありません。
まずは、家族や親せきに聞いてみましょう。箪笥に眠っているものがあるはずです。また「着付けを習おうと思ってる」と話せば、知り合いやご近所さんから着物や帯が回ってくることがあります。
着付け教室では、脱いだり着たりを繰り返しますし、いろいろな人が着物や帯を手を触れてくるので、高価なものではなく普段着きものがレッスンに合っています。小紋くらいが良いと思います。
仕立て上がりのポリきもの、リサイクルショップやオークションなどで、お手頃なものもありますし、レンタルのある着付け教室に通えば、着物を準備する必要はありません。
着物や帯などのレンタルのある着付け教室 | |
いち瑠 | 着物一式無料 肌着・裾除け・足袋 プレゼント |
日本和装 | きもの・帯・長襦袢 教室貸し出し無料/自宅レンタル 4,000円 |
彩きもの学院 | きもの・帯・長襦袢のセット 3,500円 1点、1回の貸し出しあり(要問合せ) |
日本文化普及協会 | レンタルパック 3,300円(2ヶ月) (着物・帯・長襦袢・帯揚げ・帯締め) |
令和きもの学院 | 帯 無料 |
きもの着付け文化学院 | 練習用きもの 1回550円 |
着物
普段着の小紋や紬が、練習に向いています。
仕立て上がりのポリ着物を購入する場合は、つるつるの滑りやすいものや、ゴワゴワで馴染み難いものは避けるようにしましょう。
ポリ着物は便利ですが、初心者の練習には難しいものもあります。
自分に合うサイズの目安
身丈(身長の±5cm)
裄丈(首の真ん中から肩を通って手首のぐりぐりまで)
前幅(腰回り÷4+1cm)
後幅(腰回り÷4+6cm)
きものサイズはある程度融通がききますが、サイズが違いすぎると着難いです。
帯
着付け教室で結び方を習う帯は、半幅帯、名古屋帯、袋帯です。
この3つの結び方を覚えれば、あとはどんな長さの帯でも応用で結べます。
袋帯
袋状になった長い帯で、一般的に二重太鼓に結びます。
礼装用の袋帯には金糸や銀糸が使われており、染めや紬の袋帯はカジュアルに用いられます。一般的な袋帯よりも長さが短い京袋帯は一重太鼓に結ぶため、結んでしまうと名古屋帯と見分けがつきません。
帯全体に模様があるものを「全通」、二重に巻く帯の下になる部分に模様が入っていないものを「六通」、お太鼓と前帯だけにポイント柄の入ったもの「お太鼓柄」と呼びます。
名古屋帯
名古屋帯には、九寸名古屋帯と八寸名古屋帯があります。
どちらも名古屋帯ですが、一般的に名古屋帯といえば九寸名古屋帯のことで、八寸名古屋帯のことは「八寸名古屋」の言い方で区別されています。八寸と九寸で大きさが違うのかと思われるでしょうが、出来上がり寸法はどちらもほとんと同じ幅に仕上げられます。
八寸名古屋帯は、出来上がり寸法の八寸に織られた1枚仕立ての帯で、芯を入れないのでしっかりとした生地のものが多く、九寸名古屋帯は、九寸幅の帯の中に芯を入れて袋状にするので、薄い生地のものが多いです。
八寸名古屋帯は、色柄が種類が豊富ですがカジュアル使用が一般的で、九寸名古屋帯は、素材や柄が多種多様にあるので、カジュアルからセミフォーマルまで使用できます。
半幅帯
主に浴衣や普段着の小紋や紬に結ぶ、細長い帯です。
半幅帯には小袋帯と単衣帯があり、小袋帯は2枚の布が両端で縫い合わせて袋状になっているの帯で、表と裏の柄の違うリバーシブルが多く、単衣帯は一枚の生地でできた薄く軽い帯です。
素材は、正絹、ポリ、綿などあり、レッスンには博多帯が結びやすくておすすめです。
仕立て上がった状態で販売されているので、購入後すぐに結ぶことができます。
着物・帯以外で必要なもの
着付け教室に通うにあたり必要な小物とおおよその費用です。
小物はそれほど高額ではありませんが、全てを新しく揃える必要はなく、足りない物だけ準備してください。小物は絶対に必要なものと、あれば便利なものがあるので、確認してから購入しても遅くないです。
長襦袢
着物と肌着の間に着るのが長襦袢です。
着物の袖丈より長襦袢の袖丈を2~3分(0.8~1.1cm)控えると、着物の袖の中に長襦袢の袖がちょうどおさまります。
長襦袢は、正絹、ポリエステル、麻などの素材があり、それぞれ洗えるものがあります。
仕立て上がりのポリエステルの長襦袢はお手頃で、正絹や麻を誂えると高額になります。
自分サイズの長襦袢は着崩れし難く、着姿が決まり、袖丈さえ合えばほとんどの着物に合わせることができるので、着物よりも長襦袢を先にご用意されることをおすすめします。
着物は1尺3寸の袖丈が一般的なので(背が高い方は1尺4寸くらい)、それに合わせた1尺2寸8分の袖丈の長襦袢にすれば、いろいろな着物に合わせることができます。着丈は身長-25cmくらい、裄丈は着物より0.5~1cm短くすると、袖口からでることがありません。
【参考金額】洗える正絹ものがあります。
ポリ仕立て上がり 3,000~7,000円
正絹仕立て上がり 14,000~35,000円
東レシルック 10,000~45,000円
正絹 誂え 30,000~100,000円
半衿
半衿は長襦袢の衿に縫い付け、着物の衿が汚れるのを防ぎます。
半衿付けのレッスンがあるかの確認をして、なければ事前に縫っておきましょう。
半衿は直接肌に触れるもので汚れるので、外して洗います。
素材は正絹、ポリエステル、綿などで、白だけでなく色物、柄物、刺繍の入ったものなどがあります。
20cm×150cm あれば半衿になるので、あまり布などを利用される方もいます。
素材や装飾(刺繍など)により、金額にかなりの開きがあります。
レッスン用には白いものが良いです。
【参考金額】500~30,000円
衿芯
長襦袢に付けた半衿の内側に差し込み、衿元をきれいに見せる役目があります。
真っすぐなものとカーブしたものがありますので、お好みで。
【参考金額】100~500円
肌襦袢(肌着)・裾除け
着物に汗がつくことを防ぐ役割があり、肌襦袢(肌着)は上半身に着るもので、裾除けは下半身に着るものです。
裾除けは、長方形に紐の付いたものが一般的ですが、足を開いたときに見えないようになっている東スカート、上がゴムになってるペチコート型などがあります。
肌襦袢と裾除けが一体化したワンピース型もあり、浴衣用のきものスリップでもOKです。
【参考金額】2,000~7,000円
足袋
いろいろな色や柄のものがありますが、レッスン用には白を準備してください。
一口に足袋といっても、素材や形、コハゼの数などに違いがあり、自分の足に合っていないと、足袋の中で足が泳いでしまったり、足首が痛くなったり、歩いているうちにコハゼが外れたりします。
足袋はシワのないジャストフィットが美しいので、靴よりも0.5cm小さいサイズを好まれる方が多いですが、初心者は伸縮性のある素材がおすすめです。
コハゼは足袋を留める金具のことで、4枚より5枚の方が1.5cm足袋が長くなります。
正式なルールはなく「関東は4枚、関西は5枚」と言われていますが、どちらでも大丈夫です。足首に余裕が欲しい方は、コハゼは4枚の方が楽に履けます。
同じサイズの足袋でも甲や足首サイズに違いがあるので、履かないとしっくりくるかはわかりません。
ストレッチ素材、綿素材、暖かい別珍などがあります。
【参考金額】1,000~4,000円
帯締め
帯を結んだ最後に帯の形が崩れないようにギュッと締めるのが帯締めです。
帯締めには、平組・丸組・角組がありますが、レッスン用には平組をご用意ください。
丸組はレッスンに向いていないので、平組で幅が1~1.5cmのものがいいでしょう。
初級コースは丸組と指定されている教室もあるので確認してくださいね。
帯締めはほとんどが正絹です。
【参考金額】2,000~30,000円
帯揚げ
帯枕を包んでその紐が見えないようにする役目があり、前に持ってきて帯上で結びます。
帯の上にチラリと見えるので、アクセントになります。
一般的な長方形の帯揚げは、160cm×30cmの長方形なので、体の細い人は余り過ぎて、もたついた感じになることがあります。そんなときは、お太鼓部分に隠れるところを縫って、全体の長さを調節するときれいな仕上がりになります。
練習用は、ちりめんや綸子の帯揚げがおすすめです。
帯揚げと帯締めの色を揃える必要はなく、どちらかを差し色に目立たせる方がオシャレに思います。
【参考金額】3,000円~30,000円
帯枕
帯枕は、素材・高さ・長さなど種類があり、帯枕の厚さが上下一定でないものは、上下を逆にすることで帯の結び方により使い分けられるので便利です。
ある程度の長さがあるものが、お太鼓の端まできれいになるのでおすすめです。
【参考金額】1,000~3,000円
帯板
帯の内側にいれて帯をピシッとされるもので、いろいろな素材があり夏用にメッシュやへちまもあります。ベルトのあるものとないものがありますが、どちらでも大丈夫です。
【参考金額】700~2,000円
腰ひも
滑りにくいモスリン、扱いやすいポリ、滑りの良い絹などいろいろな種類があります。
モスリンの腰紐が一番滑りにくくしっかりと留まりますが、その分正絹の着物を傷めてしまいます。
ゴムベルトを使う方もいます。
【参考金額】モスリン・ポリ 100~1,000円
仮ひも
腰紐と同じですが、仮紐は仮に結んであとで取るので、するりと摩擦なくとれるようにスベリの良い絹のものが好ましいです。摩擦があると着物や帯が痛んでしまいます。
一時的に帯を預けておくときなど、ゴムの入った仮紐はとても便利です。
【参考金額】正絹 500~2,000円
伊達締め
長襦袢や着物の袷やおはしょりを伊達締めでおさえ、着崩れを防ぎます。
絹やポリエステルのもの、マジックテープになっているもの、シャーリングでゴムが入ったものや、それにクリップが付いたコーリンベルトを兼ねているものなどがあります。
博多織の伊達締めは、滑らないしかさばらないのでおすすめです。
【参考金額】
ポリエステル伊達締め 1,000~2,000円
博多織伊達締め 1,500~4,000円
きものクリップ
小さいものと大きいもの、少し曲がったもの、鈴のついたものなどがあります。
少しカーブになってるものは、衿の仮留めのときに髪型が崩れず、鈴がついていると外し忘れ防止になる便利な一品です。
私が着付けをするときには、大1つ、小1つ、鈴付き大1つを使いますが、教室によっては使わないところもあるかもしれないし、どの大きさを何個使うか確認してくださいね。
【参考金額】
きものクリップ 小 @300~700円
きものクリップ 大 @400~1,000円
コーリンベルト
両端にクリップが付いたゴム製のベルトで、あると便利です。
コーリンベルトと胸紐(腰紐)が一緒になった長いものもあり、全体がゴムになっているので、楽に着ることができ便利です。
初心者コースでは使用しない教室もあるので、確認してから購入してください。
両端にクリップが付いてるもの、真ん中で留めることができる和装締めなどがあります。
【参考金額】500~2,000円
補正用パッド
着物は凸凹がないとキレイに着ることができるので、体の凹んでいるウエストや胸の上に補正をして平らにします。補正着は自分で調節できるし、補正パッドは軽くて簡単に留めるので利用が楽です。和装用ブラジャーもあると便利です。
着物は重ね着なので、内側は夏用を利用される方もいます。
【参考金額】
補正パット 1,500~5,000円
補正着 3,000~8,000円
草履
レッスンにお出かけがあると、草履が必要になります。
鼻緒が細くて硬いものは足が痛くなることがあるので、事前に練習しておきましょう。
鼻緒が幅広く軟らかいものは、歩きやすいのでおすすめです。
着付け教室では御法度ですが、カジュアルな着物のときは下駄も歩きやすいです。
着付け教室の必要なものと費用 まとめ
着付け教室に通うには、着物や帯、その他小物が必要です。
自前のものがなくても、レンタルできる教室がたくさんあります。
肌に直接触れるものは自前の方が気持ちいいです。準備するものは、各教室で違いますので確認してください。小物などは教室で取り扱いしているところもあります。
教室ですすめられる小物は、お持ちのもので代用できるものは、購入する必要はありません。便利だと思ったものだけ購入してください。言われるままに購入していると、思わぬ出費がかさみます。
教室のレンタルは着物と帯だけで、長襦袢や小物類を自分で準備しないといけないとなると、そこそこの金額になります。長襦袢もポリにするのか、正絹にするのかで違うし、小物も安いものから高いものまであります。
着付けを習っても、その後きものを着るかどうかわからない方は、全ての貸し出しのある いち瑠 がおすすめです。受講料に肌除け・裾除け・足袋が含まれているので、自分の肌に直接触れるものは自分用で、その他の着物・帯・長襦袢・小物類が貸し出し無料になっています。
長襦袢や小物類は自分で用意するから、着物や帯を貸してほしい方は、レンタルシステムが充実している教室を利用されるといいでしょう。