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「着物警察」とは?遭遇したときの対処方法

着物で出掛けると遭遇する可能性のある「着物警察」

お直しおばさんとも呼ばれることもありましたね。
頼んでもいないのに勝手に着付けを直したり、着方について説教したりする人のことです。

着物警察で検索すると、絡まれた事件簿がたくさん出てきます。

もし、着物警察に遭遇してしまったら、どうする?
その対処方法をご紹介します。

「着物警察」とは

「着物警察」とは、すれ違っただけの見ず知らずの人に対して、着物の着方に文句を付けたり、断りもなく勝手に直し始める人のことです。

細かくチェックする様子が取り締まりに似ていることから、着物警察と呼ばれています。

特徴として、勝手にさわる、直す、引っ張る、文句をつけるなどがあります。
洋服のときにはしないことを、着物だと何故するのか不思議です。

着物警察の方は、自分基準の「常識的な着方」というものを持っており、その基準から外れた着方や合わせ方が許せないのです。

「常識的な着方」は人によって違うので、もしかして着物警察さん同士でも「あの着方は許せない」という場合があるかもしれません。

着物警察が嫌われる理由

着物で出掛けた時、手直しするのに手助けしてもらったり、タレが上がってしまっているのを教えてもらったりするのは有難いことなのに、なぜ着物警察は嫌われているのでしょう?

頼んでいないのに、勝手にやるからです。

知らない人に無言で着ているものを引っ張られたら、怖いんですよ。

着物や帯にさわる

承諾もなしに着物や帯にさわってきます。

着物や帯って、正絹のものが多く簡単に洗濯ができないのに、何をさわったかわからない手でさわられたくないです。

自分でも汚れないように気を付けてるものにねぇ。

真顔で言いたい「その手、きれいなの?」

承諾を得ず勝手に直す

半衿が見えていない、衣紋が抜けてない、おはしょりがグズグズ、着丈が短すぎる、お太鼓が大きすぎる、帯が下がってる・・・

すぐに対処しないといけないほどではないのに、基準から外れると直したくしかたないようです。

「直しましょうか」と聞いてくれたら
「いいえ、結構です」とお断りもできるのに、聞いてくれないのです。

お手洗いのあとに、帯のたれが上がったままになることがありますが「たれが上がってますよ」と一声かけていただけると有難いし自分で直すことができますが、何も言わず勝手にたれを下ろされると痴漢行為と同じです。
親切でやってることでも、知らない人に体を触られることは不快なことです。

お願いしていないことをされるのは、迷惑なんです。

真顔で言いたい「頼んでないです」

着付けや帯合わせ、柄にケチをつける

着方がおかしい、着物と帯が合っていない、今の時期にその柄は常識外れだ、下駄を履くな・・・

上から目線で直接文句を言ったり、チラチラ見ながら聞こえるように言ったりします。

着物を着てるだけで、なぜダメだしされなきゃいけないのでしょうか。

他人の洋服にダメだししないでしょ?

「スカートとブラウスが合っていない」
「Tシャツはパンツにインしろ」
「寒い時期に半袖を着てるなんて」
「その服装にスニーカーはおかしい」

他人の洋服の着方や合わせ方に文句をつける人はいないのに、着物だとあれこれ口出しするのは、着物を特別なものと思っているからでしょうね。

みんなが普段着として着てる頃は自由な着方でした。
着付けも自然に覚えたので、着付け教室などはなかったのです。

大正や昭和初期の頃の写真を見てください。
衿元は広く開いてて、おはしょりも斜め、着丈も長かったり短かったり、帯なんてだれてるし、かなりぐずぐずでだらしがないくらいです。

戦後に着物が日常着ではなくなり、着付けを習わなければ着られない人のために着付け教室ができて、その時に「おはしょりは指1本分の長さ」などの基準を設けたのです。
一説には、呉服業界が着物の常識を複雑にして、専門家(呉服屋、着付け教室など)を頼るように仕向けたとも言われています。
着物の長い歴史からしたら、1970年代に作られたルールは正しいのか疑問です。

フォーマルの装いは、お相手がいて自分だけのことではないので、きちんとしなければいけませんが、普段着は「右前」であれば、どんな着物をどんな着方で着てもいいと思ってます。

人の着るものにケチつけるなんて
絶対に言わないけど「うるさい!黙ってろ」です(笑)

着物警察の弊害

初めて自分で着付けをして出掛けたときのこと、覚えていますか?
遥か昔のことなのに、ドキドキした気持ちを忘れていません。

着物初心者がドキドキしながら出掛けた先で、嫌味を言われたり、グイグイ引っ張られて直されたりしたら、きものを楽しむ気持ちをへし折られます。

着物警察が怖くて、着物を着なくなった人もいます。

着物業界の有名な方達は「着物警察を恐れずに、どんどん着てほしい」とおっしゃってます。
本当に着物が好きで日常的に着られてる方は、マナーや形式にこだわってないのです。

着物警察の対処方法

着物警察に遭遇したら、どうしたらいいの?
対処方法を考えてみました。

お礼を言い離れる

着物についてアドバイスをされたときには「ありがとうございます」と言ってその場を離れましょう。

突然知らない人から上から目線でアレコレと口出しされて気分のいい人はいないでしょうけど、その場を穏便に済ませるにはお礼を言って立ち去るのが無難です。

親切心からの声かけがほとんどなので、言い分を聞けば満足してくれます。
「急いでますから」とニッコリするのもいいかもしれません。

無視して逃げる

無視するのが良いのでしょうが、無視することに慣れていないと難しいです。

グチグチと嫌味なことを言われてるわけですから、どんよりした嫌な気分になりますが、心を穏やかにしてスイスイと歩いて行きましょう。

失礼かな?なんて思う必要はありません。
見ず知らずの人の服装に文句をつける方が、失礼なのです。

関わると面倒なことになりそうな人は、逃げるが限ります。

言い返す

着物友達と一言で黙らせる魔法の言葉ないかな~と考えたことがあります。

「大正時代の着方を参考にしてます」
「それ、あなたの基準ですよね」
「言われる筋合いがありません」
「黙らっしゃい」
「で?」

いろいろな案がでましたが、知らない人と揉め事を起こしたくないから結局は言わないって(笑)
そうなんですよ、言い争いなんてしたくない。

余程、一言で黙らせる言葉と雰囲気をお持ちの方以外、おすすめしません。

会話にもってく

着方について言われた時

「そう、そこが難しくて・・・」
「何度も練習してるんですけど、上手にできなくて」

わかってるけど、上手くできないことをアピールして、穏やかな会話にもっていく。

Twitter でベストアンサーだと絶賛された切替しがこちら
お互いが嫌な気持ちにならない上手い返しですね。
まぁ~お相手次第なんだけど(笑)

着物警察に遭遇するのは運

一説には、着物警察に遭遇した人は、全体の20%くらいだと言われています。

着物友達で聞いたことがあるのは3回、私は遭遇したことがありません。

ウールの着物で電車に乗っていたら「ウールを着て出掛けるなんて非常識だ」と言われた。
歩いていたら手を引っ張られて道の端に連れて行かれ、帯を直された。
電車から降りる瞬間に衣紋をグィと掴まれて体制が崩れて草履が脱げた→衣紋と帯を直された。

どれも嫌な気分になるものだし、衣紋にいたっては怪我してたかもしれない状況です。
結構気の強い子なんですけど、怖くて何も言えなかったって・・・
知らない人の衣紋を無言で掴んじゃうような人、怖いですよね。

着物警察に遭遇するのは、たまたま運が悪い時です。
着方が悪いとか、柄が季節にあっていないとか関係ありません。
単に運が悪かっただけでなので、嫌な気分は捨てて、気持ちを切り替えるしかありません。

着物警察 まとめ

「着物警察」だけじゃなく、〇〇警察と言われるものは、嫌なものです。
監視されたり、取り締まられたり、とにかく気分のいいものではありません。

遭遇したときは、お礼を言って立ち去ると揉め事にならないので
「アドバイスありがとうございます。急いでおりますので」とその場を離れましょう。

本当に親切心で声を掛けてくれる人は、無言で着物や帯をさわったりしません。
失礼な態度の方とは、なるべく関わらないようにしましょう。

コメント

  1. chica より:

    そういう方々が、いらっしゃるとは、着物初心者の私は、ビビってます!こわい((( ;゚Д゚)))💦
    鬱持ちで、メルカリで素敵な着物に出会って購入し、元気が出てきたら、お教室に通いたいとはかんがえてますが、着付けの資格が欲しくて。ですが、今のうちから、YouTube見て、色々な先生方の動画からお勉強して、近くの神社とかにお散歩いって御朱印貰いたいな、なんて考えてたので、いやー、これどうしようかなー、ですよね、本当に!怖すぎる((( ;゚Д゚)))💦
    とにかく「びっくりしました!スミマセン💦まだ初心者なんです!」って言って逃げるが勝ちかなー…。
    私ほんと変な人に絡まれやすいオーラもってるんで、怖すぎる((( ;゚Д゚)))💦です💦

    • もりしたたしこ もりしたたしこ より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。

      怖がらせてしまったみたいですが、ニッコリ笑って「ありがとうございます」と言いながら逃げれば大丈夫です。
      人の服装に注意してくるような人とは、なるべく関わらないようにした方が安全です。
      本当に親切な方は、一声かけてこちらが嫌な気分にならないように手助けしてくれます。

      今から思うとその着方はどうなの?季節感おかしくないかい?状態の頃にも、注意されたこともお直しされたこともありません。
      むしろ直してほしいくらいでした(笑)
      着物警察には滅多に遭遇しないので、気にせずドンドンきものでお出かけしてください。

      着付けは本屋やネットでも覚えることができますが、着付け教室に行くと簡単な方法や楽な着方を教えてもらえるのでおすすめです。