はじめて着物を着る時は、楽しみであり不安もあります。
着物は洋服と形や素材などの違いがあり、気を付けなければならないことがあるのです。
・着用前に準備するもの
・着用時に注意すること
・着用後のお手入れなど
はじめての着物が、楽しいものになるように、事前にチェックしておきましょう。
着用前に準備するもの
振袖を購入する場合には、長襦袢などの着用小物も一緒に揃えることが多く、肌襦袢や足袋などは準備されていると思います。
振袖の色柄に合わせて、バッグ・草履・簪なども早めに準備しましょう。
これだけで準備は整ったと安心される方がいますが、よく忘れられるのが「下着」「防寒具」です。
ブラジャーは、和装用かスポーツブラ
着物は体型を茶筒のように寸胴にするときれいに着ることができます。
なるべく平らにすることが望ましく、普段のブラジャーやカップ付きのインナーは使いません。
バストを高く見せるようなブラジャーは、着物を着るとでっぷりして見えるし、ワイヤーやカップは当たって痛くなったりすることがあります。
和装用のブラジャーも販売されていますが、何度も着物を着るのでなければスポーツブラやカップの付いていないタンクトップやキャミソールでOKです。
肌襦袢・長襦袢・着物と重ね着をするので、ノーブラに気付かれることはないので安心してください。
寒い時期に開催される成人式に振袖を着用される場合には、襟ぐりの大きく開いた半袖の肌着もおすすめです。振袖は特に衣紋をぬいて着付けをするので、後ろの襟ぐりが開いているか確認しましょう。
【着付け場所に行くとき】
前開きの洋服を着ていきましょう。
※ セーターで行き、下着の上にコートを羽織ってヘアメイクをしてもらった友人がいます。
ヘアメイクと着付けは、ヘアメイクを先にしてもらうようにしましょう。
着付けを先にするとヘアスプレーが着物にかかったり、椅子に長時間座ることで着物にシワができたり、帯が崩れることがあります。
※ 油性の口紅は着物に付くと落ちにくいので、着付けを終わった最後に塗ることをおすすめします。
ショーツは浅履き
腰骨の下あたりまでの 履き込みの浅いショーツ を準備しましょう。
腰ひもの位置はウエストよりも下なので、ウエストまであるショーツだとお手洗いで四苦八苦することになり、着崩れの原因となります。
フリルなど凸凹が響くようなものは避け、フラットなものが好ましいです。
下半身の防寒
寒い時期の着物は足、特に膝から下が寒いです。
レギンスやタイツは暖かいですが見えることがあるので、肌に近い色にしてください。
履き込みが深いものはお手洗い困るのでNG、一般的なタイツは足先がわかれていないので、足袋は履けません。
和装用のタイツやハイソックス、内側がフリースやネルになった足袋、インナー足袋など活用して暖かく過ごしましょう。
防寒具を着用すると足袋や草履がキツキツになるので、必ず草履が履けるか確認してください。
もし、天候が悪かったら・・・
事前に天気が崩れることがわかっていたら、雨や雪の対策をしましょう。
会場まで車で移動することが望ましいですが、外を歩かなければならないこともあります。
・大きめの傘
・雨コート
・草履カバー
・足袋カバー
天気に関係なく足袋は汚れてしまうことがあるので、履き替え用を準備するといいでしょう。
1~2日前に着物と帯を着ものハンガーにかけて、畳みシワを伸ばしておきましょう。
長襦袢に半衿が付いているかの確認も忘れずに!
きもの着用時に注意すること
きものと洋服は形が違うので、いろいろと注意することがあります。
いつもどおりの歩幅で歩けば素足が見えるし、手を上げれば腕が露わになり着物姿が台無しです。
ちょっとしたことを注意するだけで、素敵な着物姿になります。
歩き方
洋服のときよりも歩幅を狭く内股気味にゆっくりと歩くとおしとやかにはんなりと見えます。
歩くたびにザッザッと音がしたり、上前がピラピラして素足が見えてしまう歩き方はNGです。
なるべく音がしないように、足の指に力を入れて鼻緒をつかむイメージで歩くと、足と草履が離れにくく音が出にくくなります。
バッグを左手で持ち、右手は着物を軽くおさえると、上前がピラピラすることなく美しく見えます。
また、階段の上り下りでは、右手を下ろした位置辺りで少し着物を持ち上げると上り下りがしやすくなります。素足が見えるほど上げるのはNG。
振袖の場合には長いお袖にも注意が必要で、両袖を合わせて左腕に掛け、右手で着物を少し持ち上げましょう。
草履は履き慣れるまで歩きにくいので、事前に練習しましょう。
鼻緒の当たる位置や鼻緒ズレができないかなどもチェックすると、当日楽しく過ごせます。
座り方
椅子に腰かけるときは、帯をつぶさないように気を付けて浅めに座りましょう。
特に振袖は、お袖が長くそのまま腰かけてしまうと汚れてしまうので、左手で両袖の袂を持ち、右手で裾が開かないように押さえながら座り、両袖を膝の上に重ねましょう。
立ち上がるときも、お袖が汚れないように持って、裾が開かないようにしながら立ちましょう。
テーブルなどの角にお袖が引っかかって、袖付けが破れることがあるので、特に長いお袖の振袖のときは注意しましょう。
実は私、卒業式で振袖を着用したとき、立ち上がり損ねて袖付けを破ってしまいました。
2cm程糸が切れただけで、生地に傷みはなかったので簡単に補修してもらえましたが、ビリッって音がしたときには青くなりました。
振袖の袖付けが破れることは、よくあることなので気を付けましょう。
食べ方
ナプキンは膝に掛けますが、着物の場合は帯の上に挟むと滑り落ちることが防げます。
ナプキンがない場合もあるので、少し大きめのハンカチを用意しておくと安心ですね。
胸元をカバーするために、両端にクリップが付いたナプキンクリップを使ったり、エプロンのようなものを使われる方がいます。
衿元のナプキンはマナー違反とされる場合もあるので、場所やお相手に合わせて対応してください。
食事中に手を伸ばして取りたい場合、反対側の手でお袖をおさえて腕が見えるのを防ぎましょう。
おさえずにお袖がタルンとなって食事中のものに当たってしまうこともあります。
また、振袖の場合、着席の時にお袖を重ねて膝の上に置いているので、手の上げ下ろしなどでお袖が滑り落ちないように注意が必要です。
お手洗い
はじめての着物で一番心配なので、お手洗いをどうするのかだと思います。
汚れないようにゆっくりとするので時間がかかるので、余裕をもってお手洗いに行ってください。
①お袖を帯に挟みます(クリップで留める・振袖は前で結ぶ)
②着物→長襦袢→肌襦袢と順番に左右に分けてゆっくりと裾めくり帯に留めます。
※スカート型の裾除けは、全部を覆って止まってくれるので便利です。
③トイレに腰かける時、まとめた着物の後ろ側を少し持ち上げるようにして、帯がふたに当たらないように少し浅めに座ります。
④トイレを済ませたら、めくった逆の順番で丁寧に戻しましょう。
バサッと一度に戻すと着崩れたり、歩き難くなったりします。
⑤まだ気を抜いてはいけません、手を洗います。
手を洗う時、お袖を濡らさないようしましょう。
洗面ボウル以外に洗面台が濡れている場合がありますので、気を付けてください。
⑥鏡で全身をチェック!
お手洗い後の確認する箇所
- 衿がきれいな「y」で左右対称になっているか
- 胸の上あたりにシワが寄っていないか
- 帯締めがずれていないか
- 帯が下に下がっていないか
- おはしょりが上がっていないか
- 帯結びがつぶれていないか
- 裾が歪んでいないか
自分でできる範囲でお直ししましょう。
化粧直し
化粧直しをしたあとに、指先についたファンデーションやリップで着物を触るとシミになってしまうので、指先チェックをしましょう。
着用後のお手入れ
着物を脱いだら、汚れ・シワなどがないかチェックしましょう。
1~2日着物ハンガーにかけて湿気をとばしてから畳みましょう。
長襦袢は半衿を取り、着物同様にハンガーにかけて湿気をとばします。
肌襦袢や裾除けなどは素材に合わせて洗濯し、小物類もチェックして片付けましょう。
まとめ
着物を着るときは、いろいろと注意することがありますが、事前に知っておくことでほとんどのトラブルが防げます。
歩き方や座り方など、いつもよりもおしとやかに振る舞うことで、着物姿が数倍きれいに見えます。
はじめての着物、楽しんでください♪
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